Release : Les signes parmi nous by 相田悠希

bandcamp用ジャケ

ひねくれポップトリオ”AOR”の新作も好調な相田悠希の、ソロ名義では5年振りの新曲がbandcampにてリリースされました。現在制作中のソロアルバムからの先行シングルカット曲となります。

「”音の重心から音楽を構成する”という事をまず考えて、max/mspでシステムをプログラムしました。いくつか試奏する内、次第にそれはデバイスという事で言うならばコンピューターと私の関係、それから現象という事で言うならば音響と身体所作の関係である事に気づきました。
2分弱の短い楽曲ですが、この曲のリズムは、コンピューターであるに関わらず、またそうであるからこそより露骨に、外から与えられた周期的なBPMではなく私の生体的なバイオリズムのようなものを直接的に投影していると感じます。(相田悠希)」

http://murmurrec.bandcamp.com/track/les-signes-parmi-nous

New Release : Untitled #320 / Francisco López

mmr-20

 

スペインのサウンドアーティスト、フランシスコ・ロペス最新作がmurmur recordsより登場です。

『サウンドアートの異端児、フランシスコ・ロペス最重要最新作』

2014年スペイン・エレスマ川にて録音された音響作品に、金子智太郎氏(美学・聴覚文化研究)、城一裕氏(九州大学芸術工学研究院准教授, The SINE WAVE ORCHESTRA)両名によるロペス論考、更にフランシスコ本人による、作家としての態度表明とも言うべきエッセイ「エンバイラメンタル・サウンド・マター」(1998)の日本語訳をPDFファイルにて緊急追加収録。320枚限定生産。

” ロペスはなぜ悪名高い論者なのか。それは実験音楽やサウンドスケープ、サウンド・アートなどに関する議論のほとんどを 拒絶すると明言しているからだ。彼が提唱する「絶対具体音楽」の「絶対」とは、音楽をいか なる外的参照にも結びつけないことを意味する。外的参照とは 音源、意味、言語、文脈、視覚、技術、手続、意図などすべてだ。” (金子智太郎、本文より抜粋)

“ (ロペスの)エッセイ(ケージ主義哲学 : 古典的手続きパラダイムの迂路(1996))では、言わずと知れたジョン・ケージに影響を受けた人々をケージ主義と称し、その考え方が音楽にとって如何に有害か、ということを鋭く指摘している ~<中略>~物理的に真に存在しないものを否定する、ということは、つまり幾何学の概念を否認することかと手厳しい。” (城一裕、本文より抜粋)

 

・Untitled #320によせて。(murmur records 相田悠希):
大塚英志氏が「太平記」等の中世までの物語の発話システムに見出した「<世界>ー<趣向>モデル」に見られるように、そもそも口承文芸的に物語というものは語られるのであって、物語がある特権的な作者によって固定化されるという状況が、近代の中で誕生した極めて特殊なものであるという見地に立てば、フィールドレコーディングを捉える際の一つの補助線となるのではないかと考えます。

口承文芸においては、ある物語の「世界(観)/システム」を一度把握してしまえば、それまで聞き手だった者が今度は話し手として物語を都度即興的に生起させる事が可能で、それらが資本と結び付く事を一度留保して考えれば、その全ては等価ですので(いずれも「世界/システム」から導き出されたバリエーションの一つであるので)、その意味でオリジナルの物語は存在しない、オリジナルはシステムそれ自体だ、という事になります。

フィールドレコーディング作品においても、「世界/システム」そのものが即私たちが生きている「(常に既にここにある)この世界」(この”この世界”を、イコール世界と捉えれば形而上学的、個々人にとって立ち現れる世界と捉えれば現象学的)となるので、遍く音事象を隅々まで正しく録音するといった事が不可能である以上、作品は全てある種の偏りを持たざるを得ません。だからこそ私たちは近代と前近代の区別が付け難くなっているのではなかったでしょうか。そして、その偏りは偏りであるが故に常に大きな物語を希求します。

手軽に身の回りの音を録音しデータ化して再生する事が可能となった現代では、誰もが「この世界」に対する二次創作を行っていると言い換えていい。そして、録音機を回しながらモニターでリアルタイムに音を聴くという行為体験が、フランシスコの言う「盲目さ」や「内的世界」(彼の言葉選びは非常に慎重であるが故に私には時に難解です)に対応するだろうと思います。

これまでに多くの作品を発表しているフランシスコ・ロペスは、「世界/システム」の卓抜たる話者の一人として一際(ある種独特の)異彩を放っています。
彼の作品は、現在の多くのアンビエントミュージックやフィールドレコーディング作品が陥っている、「環境音(具体音)をトレースして心地よいBGMを作ろう」「その為には作家性は極力排除せねばならない」(しかし、非作為もまた作為です。そこにはひたすらに洗練された操作、意図が隠されています)といった近代的でデザイン的な創作思考(エンターテイメント的と言い換えてもいいかも知れません)とは全く無縁です。
彼が、「世界に対して耳を開きさえすればそこに豊潤な音楽があることに気づく」といったような誤読的なケージ論を退け、サウンドスケープを唱えるマリー・シェーファーを退けるのは、前近代的な意味において、言語によってではなく音そのものによって世界から趣向を都度生成しているからに他ならないと考えます。

けれど。しかしながら。そうであるが故に。それはやはり耳を開く事から始まります。
この一見遠回りに見える迂回こそが、彼の音楽が現代において異端である理由なのです。

このCDは、金子智太郎氏、城一裕氏両氏のロペス論考、更に作家としての態度表明とも読み取れるロペス自身によるテキスト(ラセルバのライナーノーツから再掲。金子氏による日本語訳)を本人の許可を得てPDF形式にてデータ収録しています。ぜひプリントアウトして、本作を楽しむ際の手引きとして頂きたいと思います。

 

[info]

catalog no. : MMR-20
format : CDエクストラ
released : 2016/04/27

track list : M1. Untitled #320 (40:00)

ご購入はこちらから。 murmur records online shop

 

New Release : Merzbow+宮台真司「Music for Urbanism」

mmr-19_cover

ノイズミュージックと社会学がまさかの邂逅! MERZBOW+宮台真司コラボレーション作品の登場です。

2011年に代官山ヒルサイドテラスにて開催されたセミナー「まちづくりの哲学/デタラメな世界の希望の在処」で奇跡の共演を果たした、ノイズミュージックの権威MERZBOWと社会学者宮台真司のコラボレーションCDが完成しました。

DVDサイズ(紙ジャケ)のパッケージに、メルツバウのセミナーでのライブ録音をマスタリングしCD収録。更に25,000字を超える宮台真司の書き下ろしテキスト掲載のブックレットが封入されています。これぞ正に永久保存盤!

ご予約はこちら。 http://www.amazon.co.jp/DP/B013CIMAMW

アーティストについて

MERZBOW(メルツバウ)
秋田昌美によるヴィーガン・ストレイト・エッジ・ ノイズ・プロジェクト。80年代初頭のノイズ・イン ダストリアル・シーンに参加し海外のレーベルを中心にリリースを始める。90年代にはグラインドコアの影響を受けデスメタ ルのレーベルRELAPSEからアルバムをリリース。2000 年代には MEGO の「PUNK なCOMPUTER MUSIC」に共鳴、ラップトップによるライブ手法を採用した。2003年頃から「動物の権利」 ( アニマルライツ ) の観点からヴィーガン ( 完全菜食主義 ) を実践している。「捕鯨反対」「イルカ漁反対」「毛皮反対」等をテーマに作品を制作している。近年はアナログ機材を主体にした音作りを行っている。

宮台真司(ミヤダイ シンジ)
社会学者。映画批評家。首都大学東京教授。1959年3月3日仙台市生まれ。京都市で育つ。東京大学大 学院博士課程修了。社会学博士。権力論、国家論、 宗教論、性愛論、犯罪論、教育論、外交論、文化論 などの分野で単著 20 冊、共著を含めると100 冊の 著書がある。最近の著作には『14 歳からの社会学』(筑 摩書房)『私たちはどこから来て、どこへ行くのか』(幻 冬舎)などがある。キーワードは、全体性、ソーシャ ルデザイン、アーキテクチャ、根源的未規定性、など。

[TRACK LIST]

01. 2011 秋 (41:24)

[INFO]

catalog no. : MMR-19
format : CD
release : 2015/10/08

✳︎ 新規お取引をご希望の小売店様におかれましてはプレスキット(プレスシート、サンプル刻印入りディスク)のご用意がございます。下記コンタクトページよりお気軽にお問い合わせください。

http://murmurrec.com/contact.html

2015.07.22. Kuroi Dira (a.k.a Erico Wakamatsu , AOR) 1st Album Release!

AORのメンバー、Erico Wakamatsuの新ユニット”Kuroi Dira”の 1st albumが7月22日、murmur recordsからデジタルリリースされます!
ITMSでは予約受付が開始されているようです。
エリコがAORの外ではどんな音を鳴らしているのか、皆様ぜひチェックを!

kuroidira

https://itunes.apple.com/jp/album/kuroi-dira/id1005643932

Artist Name : Kuroi Dira
Album title : Kuroi Dira
Release date : 07/22/2015
Record label : murmur records

soundcloud : sample

Track titles
1. Love Morph
2. Vertigo Fishes
3. Stairs
4. Doze for Erico
5. Stairs (Part.2)

Album Notes.

Our debut album is based on the feeling of love.
It represents different aspects of it from an abstract point of view:
alling in love, love morphing, stress, joy and the overall mystery of this beautiful feeling.
As the album goes, we tried to represent the entire spectrum of emotions a person can get in this state,
different memories and pictures are captured into their heads.
Sometimes this endorphin rumble can simply turn to silence.
Or turn into something new, from one level to simply fading away.
But will it disappear? Certain pulses of it will still remain.
After that, everything is pretty abstract…

違った視点を持ち合わせた者同士が恋愛の関係に踏み込むこと、 その上で同じものを見聞きし違った解釈をしながら寄り添っていくこと。

私たちはこの”誰かを愛すること”という大きさの計れない何かについて音を使って想像し続けました。

恋に落ちてからの自分、流れる時間と動く心、快楽とストレス、 挙げたら終わりの無い、恋愛における不思議なこもごも。

その作業の先に具体的なこたえは無く、あらゆるものが消えては浮かんでを繰り返す。 全てはまるで雲を掴むようなことでした。

dronny darko & erico wakamatsu

Yuki Aida + Tomotsuga Nakamura / Ēchóchrōma [DL]

front-colour

9月17日にTomotsugu Nakamuraさんとの共作「Ēchóchrōma(エコクローマ)」がUKのアーティストAutisticiが主宰する音楽レーベルAudiobulb Recordsよりデジタルリリースされました。

http://www.audiobulb.com/albums/AB055/AB055.htm

[info.]

● ēchóchrōma
This work was born by the happy encounter of two Japanese musicians of a new generation. The work consists of 12 fragmentary passages. Yuki’s worked with MAX/MSP to construct the foundations for each piece. Tomotusgu built on Yuki’s materials, carefully working with slices of audio and forming the completed tracks. Field recordings from Haruo Okada were weaved into the song narratives to expand the sound palette. The result is an album that overflows with intricate bleeps, unique tones and micro rhythms.

artist : yuki aida + tomotsugu nakamura
title : ēchóchrōma
cat number : ab055
format : digital download
release date : september 2014

track listing:
01. mono
02. di
03. tri
04. tetra
05. penta
06. hexa
07. hepta
08. octa
09. nona
10. deca
11. undeca
12. dodeca

●credits
Cover designed by Paul Bilger
Mastered by Dovuaski

[review]
●yuki aida+tomotsugu nakamura『ēchóchrōma』、良かった。ここ数年ブームだったドローン/アンビエント以降ともいえる作品。
いわば初期12k的なマイクロ・スコピックなサウンドが解像度高くアップデートされた、そんな印象です。
エレクトロニカ/電子音響好きなら必ず好きになる作品と思います。高密度な電子ノイズのむこうに、柔らかい音楽が光ように鳴っています。エレクトロ/アコースティックな音楽/音響の眩い交錯。
by デンシノオト https://twitter.com/postit_Foundmix

●Working with Max/MSP-generated sonorities while adding floaty swathes of field recordings, Aida and Nakamura managed to bring forth a type of honest electronica that, though deprived of any genuinely innovational prospect, is nonetheless positively greeted by these ears in virtue of its graceful acoustic posture. Snippets of phrases get embroiled, crunched and sprayed with digital polychromatic dust, still retaining cuddling values; kind-hearted distortion and asymmetrical echoes do the rest. The resulting music is a well-regulated democracy under an enlightened guidance: single components emerge – each with its own textural spacing and density – yet the sense of collective harmony is what ultimately prevails in spite of a pulsating plurality. Picture tiny crumbles of Taylor Deupree picked and swallowed by birds looking like miniature replicas of Fennesz (the finest variant, not that of the recent abominable Bécs). I would love avoiding an overexploited adjective, but I won’t: “organic” is the keyword, especially in regard to the insect-like industriousness defining large chunks of this album. The successiveness of “Hexa” and “Hepta” is one of the most rewarding, just to identify a highlight; the cohesiveness in this luminous integrity is a given. A solid effort by two artists whose creative conceptualizations give an idea of imperturbable reliability.
by MASSIMO RICCI http://touchingextremes.wordpress.com/

  1. Touching Extremes

    Working with Max/MSP-generated sonorities while adding floaty swathes of field recordings, Aida and Nakamura managed to bring forth a type of honest electronica that, though deprived of any genuinely innovational prospect, is nonetheless positively greeted by these ears in virtue of its graceful acoustic posture. Snippets of phrases get embroiled, crunched and sprayed with digital polychromatic dust, still retaining cuddling values; kind-hearted distortion and asymmetrical echoes do the rest. The resulting music is a well-regulated democracy under an enlightened guidance: single components emerge – each with its own textural spacing and density – yet the sense of collective harmony is what ultimately prevails in spite of a pulsating plurality. Picture tiny crumbles of Taylor Deupree picked and swallowed by birds looking like miniature replicas of Fennesz (the finest variant, not that of the recent abominableBécs). I would love avoiding an overexploited adjective, but I won’t: “organic” is the keyword, especially in regard to the insect-like industriousness defining large chunks of this album. The successiveness of “Hexa” and “Hepta” is one of the most rewarding, just to identify a highlight; the cohesiveness in this luminous integrity is a given. A solid effort by two artists whose creative conceptualizations give an idea of imperturbable reliability.

    1. Chain D.L.K.

      This release is a collaboration between two sound artists Tomotsugu Nakamura, focused on micro rhythms, and Yuki Aida, focused on ambient. Even if the linear notes present this as ‘an album that overflows with intricate bleeps, unique tones and micro rhythms’, it’s a release that sounds a little derivative as his influences are clearly perceptible during the listening.
      As the song titles suggest, this album sounds like a single track divides in twelve movements. The gentle tones and rhythm of ‘Mono’ opens this release abruptly ending to let ‘Di’ continues with a fractured beat that periodically ends. The glitches of ‘Tri’ evolve into ‘Tetra’, an hypnotic track based upon the juxtaposition of a small loop and a longer one. The slow development of ‘Penta’ is based upon the ‘classic’ glitches of a cd player while ‘Hexa’ is based on an abstract small sample that is colored by the small beeps of a rhythmic part that is absent of ‘Hepta’, as it’s focused on an abstract sound development, and returns in ‘Octa’ exalted by the short samples. ‘Nona’ sounds like a return to the atmospheres of the first track while ‘Deca’ is a delicate soundscape for a windy day as ‘Undeca’ for a desert one. ‘Dodeca’ quietly closes this release returning once again to the gentle tones of ‘Mono’.

      As it’s not a ground-breaking release, his strength lies in the musical writing able to develop a cohesive release out of the single tracks. The careful sound production, meaning a long development, make this release something worth a listen to all fans of glitch. A nice release.

[ITMS]
https://itunes.apple.com/jp/album/echochroma/id899654415?l=en

[boomkat]
http://boomkat.com/downloads/1070422-yuki-aida-tomotsugu-nakamura–ch-chr-ma

AOR/ONE、各店舗展開頂いてます。

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写真はタワレコ池袋店、渋谷店です。
新宿店では、ティーザー映像も再生されているとの事!
Amazonでは初日に完売しております。タワレコさんでお買い求めの方はポストカードもついてきますので、お近くの店舗でぜひチェックください。

タワレコ渋谷店6Fでは、、

じゃーん!

最近何やらSNS等で話題になっているmoph recordsの謎の新人さんと、sad tokyoのオーナー、土橋さんの作品と、murmurのchristopheの作品が同じ試聴機に!!しかも隣りがDiamond Version!!

うおー!燃えます!

思えばうちのクリストフの作品は先行販売開始が昨年の10月。この流れの速い音楽業界で、もう9ヶ月も前の作品がまだ試聴機に入っている事自体、もはや奇跡的なことなのでは、と目頭が熱くなりました。

ロングセールスを支えて頂いていますタワレコ渋谷店さん、またお買い上げ頂いた皆様本当にありがとうございます!

買いそびれていた方もこの機会に試聴して、ぜひお買い求めくださいませ。

 

■mmr-18 : Christophe Charles – hcdc [CD]

http://murmurrec.cart.fc2.com/ca105/903/p-r-s/

■DOVUASKI – TOKYO, THE MONOCHROME CITY [CD]

http://murmurrec.cart.fc2.com/ca29/249/p-r29-s/

■N.D. – NUL 0 00 [CD]

http://www.mophrec.net/wordpress/?p=5896

 

※画像はmoph recordsさんのツイートより拝借しました。

 

New Release : Christophe Charles / HCDC 一般販売開始!

HCDC-1

2月23日にいよいよクリストフ・シャルルの最新作「HCDC」が一般発売されました!
タワーレコード渋谷店7Fでは、試聴機展開して頂いております。


 

クリストフとは、昨年i8uをカナダから招聘した時に、彼女はその前から彼とスプリットのアルバムをリリースしていて、せっかく日本に来たならどうしても会いたいというので、原宿の眺めの良いお蕎麦屋さんでうちの妻と4人でランチをした事が出会いで、それからもちょくちょくうちの店のレセプションでパフォーマンスをしてもらったり、交流が続いている。

彼の仕事は、オカルトみたいであまりこういう言い方はしたくないけれど、宇宙の振動をそのまま体現したような壮大さがある。
そしてそれは、とても小さな音、例えばマイクロスコピックな態度とでも言うべきものとほとんど同じだ。
物体が存在する事自体に振動があり、音がある。
生前の武満徹が「世界には弛みない音の響きの潮流があり、私はそれを切り取って拝借しているに過ぎない」と言ったというが、まさに彼の作品は様々な素材を用いて電子的にそれを表現していると思う。

本作”hcdc”は2008年に制作され、ジョン・ケージ研究の第一人者であるクリストフの父、ダニエルに捧げられている。
2010年にリリースされたダニエルの仕事を纏めたDVD”Nouvelle Revue d’Esthe´tique”の中でこの楽曲の10分間のバージョンを聴く事が出来るが、今回ついに全42分半というその全貌が明らかになった。
楽曲のマテリアルは彼の永らくの友人であるHenning Christiansenとのコラボレーション時の音素材、それから2008年に彼が行ったパフォーマンス、そして楽曲の後半にはダニエルの呼吸音もプロセスされている。

彼は、「なるべく大きな音で聴いてほしい。そうすれば音はリスナーの周囲を内へ外へ運動し始めるだろう」とこの作品についてコメントしている。
左右のパンニングはもちろん、中盤の太鼓のような音は遠くから徐々に眼前に近づき、その上に違う周期の低音が覆い被さって展開されていくところなんかは、
2チャンネルの音の奥行きの表現の限界に挑んでいるようにも聴こえる。
近年の彼の作品は超低音がとても重要な意味を持っていて、パフォーマンスの際にはいつも私物のジェネレックのウーファーを持ち運んでいる。
ウーファーをお持ちの方は近隣に迷惑がかからない程度に、この迫り来るような電子音に思いっきり没入してほしい。

これはクリストフ・シャルルという類希なサウンドアーティストが初めて父親に捧げた記念碑的なオマージュ作品であるし、なによりここにあるのは圧倒的な音響体験だ。

相田悠希

商品購入ページ:

Amazon : http://www.amazon.co.jp/dp/B00IE3BISS

Tower Records Online : http://tower.jp/item/3471884/HCDC

パララックスレコード : http://parallaxrecords.jp/index.php?main_page=product_info&products_id=4664

レーベルショップサイト : http://murmurrec.cart.fc2.com/ca105/903/p-r-s/